規約・権利
法務が確かめること
- 確かめる項目
- 18項目
- 導入可否に影響
- 10項目
- 確認する人
- 1者
海外のAIを会社で使うときに、法務が受け持つ確認を時期の順に並べました。全部で18項目。チェックリストで漏れを無くし、資料をそろえ、海外の提供元へ英文で質問し、社内へ回すところまで進めます。
法務が確かめることのチェックリスト
上から、導入できるかどうかに響くものの順です。済んだものに印を付けてください。
一覧で見る
| 確かめること | いつ | 影響 |
|---|---|---|
| 商用利用が認められているか | 契約前 | 導入可否に影響する |
| 生成物の権利が誰のものか | 契約前 | 導入可否に影響する |
| クライアントに納品してよいか | 契約前 | 導入可否に影響する |
| 禁止されている用途は何か | 契約前 | 導入可否に影響する |
| 個人情報を入れてよいか | 契約前 | 導入可否に影響する |
| 越境移転の同意を取っているか | 契約前 | 導入可否に影響する |
| 顧客から預かった情報を入れてよいか | 契約前 | 導入可否に影響する |
| 法務に何を見てもらうか | 契約前 | 導入可否に影響する |
| 学習に使われない設定があるか | 契約時 | 導入可否に影響する |
| 他社の権利を侵していないか | 運用中 | 導入可否に影響する |
| 商標として登録できるか | 契約前 | 契約の見直しが要る |
| どこの国の法律に従うか | 契約前 | 契約の見直しが要る |
| 争いになったらどこで裁くか | 契約前 | 契約の見直しが要る |
| 補償の条項があるか | 契約前 | 契約の見直しが要る |
| 再委託が認められているか | 契約前 | 契約の見直しが要る |
| 規約が改定されたら分かるか | 運用中 | 契約の見直しが要る |
| 生成物に表示が要るか | 運用中 | 契約の見直しが要る |
| 消してくれと言えるか | 運用中 | 契約の見直しが要る |
先に確かめる:導入できるかに響く項目
このリストのうち10項目は、答えによっては導入そのものを見送ることになります。ほかの項目より先に確かめてください。
| 確かめること | 通らないときの手 | 省いてよい場合 |
|---|---|---|
| 商用利用が認められているか | 有料プランへ切り替える | 社内の検証だけで外に出さない場合 |
| 生成物の権利が誰のものか | 権利がこちらに来ると明記された事業者を選ぶ | 社内資料にしか使わない場合 |
| 学習に使われない設定があるか | 事業者向けプランに切り替える | 公開情報しか入れない場合 |
| クライアントに納品してよいか | 再配布が認められた事業者に替える | 自社でしか使わない場合 |
| 禁止されている用途は何か | 用途を変えるか、その分野に対応した事業者を選ぶ | 一般的な事務作業だけの場合 |
| 他社の権利を侵していないか | 公開前に画像検索で確認する工程を入れる | 下書きにしか使わない場合 |
| 個人情報を入れてよいか | 個人情報を伏せてから入力する手順にする | 個人情報を扱わない業務の場合 |
| 越境移転の同意を取っているか | 利用目的の記載に海外移転を加える | 個人情報を渡さない場合 |
| 顧客から預かった情報を入れてよいか | 顧客に確認を取ってから使う | 自社の情報だけの場合 |
| 法務に何を見てもらうか | 論点を絞って見てもらう | 法務の確認が不要な金額の場合 |
時期ごとに分ける
同じリストでも、確かめる時期が違います。時期ごとに分けて、前の段階で済ませておくものを先に片づけます。
契約前(13項目)
- 商用利用が認められているか(法務)
- 生成物の権利が誰のものか(法務)
- クライアントに納品してよいか(法務)
- 禁止されている用途は何か(法務)
- 個人情報を入れてよいか(法務)
- 越境移転の同意を取っているか(法務)
- 顧客から預かった情報を入れてよいか(法務)
- 法務に何を見てもらうか(法務)
- 商標として登録できるか(法務)
- どこの国の法律に従うか(法務)
- 争いになったらどこで裁くか(法務)
- 補償の条項があるか(法務)
- 再委託が認められているか(法務)
契約時(1項目)
- 学習に使われない設定があるか(法務)
運用中(4項目)
- 他社の権利を侵していないか(法務)
- 規約が改定されたら分かるか(法務)
- 生成物に表示が要るか(法務)
- 消してくれと言えるか(法務)
項目ごとの資料・つまずき・通らないときの手
商用利用が認められているか
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「社内の担当に確認が要る」。
- 用意する資料:利用規約の該当条項
- よくあるつまずき:無料プランは非商用限定で、業務で使った時点で違反になる
- 通らないとき:有料プランへ切り替える
- 省いてよい場合:社内の検証だけで外に出さない場合
生成物の権利が誰のものか
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:規約の権利帰属条項
- よくあるつまずき:権利が事業者側に残り、納品物として渡せない
- 通らないとき:権利がこちらに来ると明記された事業者を選ぶ
- 省いてよい場合:社内資料にしか使わない場合
クライアントに納品してよいか
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:再配布の条項
- よくあるつまずき:生成物の再配布が禁じられていて、受託の成果物に使えない
- 通らないとき:再配布が認められた事業者に替える
- 省いてよい場合:自社でしか使わない場合
禁止されている用途は何か
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「社内の担当に確認が要る」。
- 用意する資料:禁止事項の一覧
- よくあるつまずき:医療や法律の助言に近い使い方が禁止されていると後で分かる
- 通らないとき:用途を変えるか、その分野に対応した事業者を選ぶ
- 省いてよい場合:一般的な事務作業だけの場合
個人情報を入れてよいか
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:個人情報の取扱い方針
- よくあるつまずき:顧客の氏名を入力してから、越境移転の同意が要ると分かる
- 通らないとき:個人情報を伏せてから入力する手順にする
- 省いてよい場合:個人情報を扱わない業務の場合
越境移転の同意を取っているか
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:同意の取得記録
- よくあるつまずき:海外の事業者に渡すことを本人に伝えておらず、後から問題になる
- 通らないとき:利用目的の記載に海外移転を加える
- 省いてよい場合:個人情報を渡さない場合
顧客から預かった情報を入れてよいか
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:顧客との契約書
- よくあるつまずき:預かった情報の第三者提供が契約で禁じられている
- 通らないとき:顧客に確認を取ってから使う
- 省いてよい場合:自社の情報だけの場合
法務に何を見てもらうか
法務が契約前に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:規約の全文
- よくあるつまずき:規約を読まずに契約し、あとで差し戻される
- 通らないとき:論点を絞って見てもらう
- 省いてよい場合:法務の確認が不要な金額の場合
学習に使われない設定があるか
法務が契約時に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「社内の担当に確認が要る」。
- 用意する資料:データ利用の設定画面
- よくあるつまずき:既定で学習に使われ、入力した情報が戻せない
- 通らないとき:事業者向けプランに切り替える
- 省いてよい場合:公開情報しか入れない場合
他社の権利を侵していないか
法務が運用中に確かめます。影響は「導入可否に影響する」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:生成物の確認手順
- よくあるつまずき:似た既存作品が出てきて、そのまま使ってしまう
- 通らないとき:公開前に画像検索で確認する工程を入れる
- 省いてよい場合:下書きにしか使わない場合
商標として登録できるか
法務が契約前に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:生成物の権利条項
- よくあるつまずき:生成したロゴを商標出願し、審査で権利関係を問われる
- 通らないとき:人が作り直したものを出願する
- 省いてよい場合:商標にしない場合
どこの国の法律に従うか
法務が契約前に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:準拠法の条項
- よくあるつまずき:準拠法が海外で、争いになったときに動けない
- 通らないとき:国内の代理店契約を挟む
- 省いてよい場合:争いになる規模の取引ではない場合
争いになったらどこで裁くか
法務が契約前に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:裁判管轄の条項
- よくあるつまずき:管轄が海外の裁判所で、実質的に争えない
- 通らないとき:仲裁条項の有無を確認する
- 省いてよい場合:少額の契約の場合
補償の条項があるか
法務が契約前に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:免責と補償の条項
- よくあるつまずき:権利侵害で訴えられても事業者は補償しないと書いてある
- 通らないとき:補償を明記した事業者を選ぶ
- 省いてよい場合:社内利用に限る場合
再委託が認められているか
法務が契約前に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「規約・契約書を読む必要がある」。
- 用意する資料:再委託の条項
- よくあるつまずき:外注先に使わせることが規約で禁じられている
- 通らないとき:外注先に自分で契約してもらう
- 省いてよい場合:外注しない場合
規約が改定されたら分かるか
法務が運用中に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「社内の担当に確認が要る」。
- 用意する資料:改定の通知方法
- よくあるつまずき:改定が英語で通知され、変わったことに気づかない
- 通らないとき:四半期に一度、規約の更新日を見に行く
- 省いてよい場合:短期の利用で終わる場合
生成物に表示が要るか
法務が運用中に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「社内の担当に確認が要る」。
- 用意する資料:表示義務の条項
- よくあるつまずき:AIで作ったことの明示が要るのに、そのまま公開している
- 通らないとき:公開物に一文を添える運用にする
- 省いてよい場合:社内資料の場合
消してくれと言えるか
法務が運用中に確かめます。影響は「契約の見直しが要る」、確かめ方は「社内の担当に確認が要る」。
- 用意する資料:削除請求の窓口
- よくあるつまずき:削除の依頼先が無く、入力した情報を消せない
- 通らないとき:削除の手順がある事業者を選ぶ
- 省いてよい場合:残っても困らない情報の場合
海外の提供元へ送る質問
提供元の窓口は英語のことが多く、日本語で聞いても返事が遅れます。このリストの分類に合わせた質問を英文で用意しました。送る前に、自社の名前と使い方を書き足してください。
Subject: Questions before signing a business plan Hello, We are considering your service for business use at [company name] in Japan, for about [number] users. Before we sign, could you please answer the following questions? 1. Who owns the outputs generated by our users, and may we use them commercially? 2. Do you offer indemnification against third-party IP claims for business plans? 3. Is our input data used to train your models? Can this be turned off by contract? 4. Where is our data stored, and for how long is it retained after deletion? 5. Can you provide a security white paper or a completed security questionnaire? 6. Do you hold certifications such as SOC 2 or ISO/IEC 27001? If any documents are available (terms, DPA, security materials), please share the links. Best regards, [name / department / email]
| 質問 | 日本語での意味 |
|---|---|
| 1 | 利用者が作った出力の権利は誰にあり、商用で使えますか |
| 2 | 第三者の権利侵害の申し立てに対する補償はありますか |
| 3 | 入力したデータは学習に使われますか。契約で止められますか |
| 4 | データの保存場所と、削除後の保持期間を教えてください |
| 5 | セキュリティの説明資料か、記入済みの質問票をもらえますか |
| 6 | SOC 2 や ISO/IEC 27001 などの認証を持っていますか |
社内の担当へ回す文面
このリストには法務が確かめる項目が入っています。担当ごとに、聞くことだけを抜き出して回すと返事が早くなります。
法務の担当者さま 海外のAIサービス[サービス名]を使うにあたって、次の点を確認させてください。 1. 商用利用が認められているか(手元の資料:利用規約の該当条項) 2. 生成物の権利が誰のものか(手元の資料:規約の権利帰属条項) 3. クライアントに納品してよいか(手元の資料:再配布の条項) 4. 禁止されている用途は何か(手元の資料:禁止事項の一覧) 5. 個人情報を入れてよいか(手元の資料:個人情報の取扱い方針) 6. 越境移転の同意を取っているか(手元の資料:同意の取得記録) 【使う予定】[部署・人数・入れる情報の種類] 【いつまでに】[回答の希望日] お手数ですが、よろしくお願いいたします。
稟議に添える確認表
確かめた結果を稟議に添える形です。「済」だけでなく、何を見て判断したかを1行残すと、あとで説明できます。
【サービス名】[ ] 【提供元】[ ] 【確認した日】[ ] □ 商用利用が認められているか → 結果[ ]/見た資料[利用規約の該当条項] □ 生成物の権利が誰のものか → 結果[ ]/見た資料[規約の権利帰属条項] □ クライアントに納品してよいか → 結果[ ]/見た資料[再配布の条項] □ 禁止されている用途は何か → 結果[ ]/見た資料[禁止事項の一覧] □ 個人情報を入れてよいか → 結果[ ]/見た資料[個人情報の取扱い方針] □ 越境移転の同意を取っているか → 結果[ ]/見た資料[同意の取得記録] □ 顧客から預かった情報を入れてよいか → 結果[ ]/見た資料[顧客との契約書] □ 法務に何を見てもらうか → 結果[ ]/見た資料[規約の全文] □ 学習に使われない設定があるか → 結果[ ]/見た資料[データ利用の設定画面] □ 他社の権利を侵していないか → 結果[ ]/見た資料[生成物の確認手順] □ 商標として登録できるか → 結果[ ]/見た資料[生成物の権利条項] □ どこの国の法律に従うか → 結果[ ]/見た資料[準拠法の条項] □ 争いになったらどこで裁くか → 結果[ ]/見た資料[裁判管轄の条項] □ 補償の条項があるか → 結果[ ]/見た資料[免責と補償の条項] □ 再委託が認められているか → 結果[ ]/見た資料[再委託の条項] □ 規約が改定されたら分かるか → 結果[ ]/見た資料[改定の通知方法] □ 生成物に表示が要るか → 結果[ ]/見た資料[表示義務の条項] □ 消してくれと言えるか → 結果[ ]/見た資料[削除請求の窓口] 【確認できなかった項目と、その扱い】[ ] 【導入の判断】[進める/条件つきで進める/見送る]
自社で省ける項目を外す
会社の条件によっては、確かめなくてよい項目があります。当てはまるものに印を付けて、残ったものだけを確かめれば足ります。
印を付けた項目は、理由を稟議に1行残してから外します。
言葉と支払いで止まりにくい候補
言葉と支払いで止まりにくいのは、画面が日本語で出て、料金ページに円の表示があるサービスです。当サイトが2026-09-25に公式サイトを開いて数えた結果では、96件のうち6件でした。
| サービス | 提供元 | 画面の日本語 | 円の表示 |
|---|---|---|---|
| Canva AI | Canva | 80% | あり |
| Catchy | デジタルレシピ | 79% | あり |
| DeepL | DeepL | 72% | あり |
| tl;dv | tldv | 72% | あり |
| miibo | miibo | 70% | あり |
| Gemini for Workspace | 55% | あり |
Canva AI(画面の日本語80%)
Canvaのサービスです。言葉と円の表示は通っていても、上のリストの請求書・データの扱い・契約の名義は別に確かめる必要があります。
Catchy(画面の日本語79%)
デジタルレシピのサービスです。言葉と円の表示は通っていても、上のリストの請求書・データの扱い・契約の名義は別に確かめる必要があります。
DeepL(画面の日本語72%)
DeepLのサービスです。言葉と円の表示は通っていても、上のリストの請求書・データの扱い・契約の名義は別に確かめる必要があります。
数字は当サイトの実測で、提供元の公表値ではありません。サイトの作りは変わるので、申し込む前にご自身でも開いて確かめてください。
法務が確かめることについてよくある質問
全部の項目を確かめないと入れられませんか?
各項目に「省いてよい場合」を付けています。たとえば「商用利用が認められているか」は「社内の検証だけで外に出さない場合」なら省けます。自社に当てはまるものを先に外すと、残りが絞れます。
誰が最終的に判断しますか?
このリストでは法務が確かめます。判断は社内の決まりによりますが、「導入可否に影響する」項目の結果は、上長まで上げてから決めるのが安全です。
提供元から返事が来ないときは?
英文の質問を送って1週間返事がなければ、国内の代理店があるかを探すか、見送りの理由として稟議に残します。返事の無いこと自体が、運用中の問い合わせの目安になります。
次にやること
- 省ける項目を外す
各項目の「省いてよい場合」に当てはまるものを消して、自社のリストにします。 - 影響の大きいものから確かめる
導入可否に響く項目を先に片づけます。
商用利用が認められているか - 提供元へ英文の質問を送る
社内で分からない項目だけを、まとめて1通で聞きます。